神魂神社(かもすじんじゃ) 国宝に指定されている日本最古の大社造りの本殿

神魂神社
神魂神社の参道

 見 学 メ モ

【所在地】 島根県松江市大庭町563 0852-21-6379 
【主祭神】 イザナミノミコト(伊弉冉尊)、合祀 イザナギノミコト(伊弉諾尊)
【祭事】 春祭=4月18日 例祭=10月18日 新嘗祭=12月13日 神在祭=11月11日
【アクセス】 JR松江駅より八雲行き一畑バスで20分、「風土記丘入口」下車、かんべの里方面へ徒歩10分。または、松江駅から一畑バスで34分、終点「大庭車庫」下車すぐ
【関連地図】 付近のハイキングコース地図


通称"大庭の大宮さん"の名で親しまれている古社

碑
江市の「大庭」という地名は神様の祭りごとをする場所のことらしい。その大庭町に神の魂の神社と書いて神魂(かもす)神社と呼ぶ非常に古い社がある。カモスと読むのは珍しいが、一説によると、神霊の鎮まり坐す所の「神坐所」(かみますどころ)がカンマスになり、さらにカモスとなったと言われている。イザナミノミコトを主祭神として祭る神社で、通称”大庭の大宮さん”と呼ばれている。意宇六社(おうろくしゃ)の一つに数えられる格式の高い神社である。

なみに、意宇六社とは、かっての意宇郡(おうのこおり=現在の松江市、安来市、八束郡、能義郡)に鎮座する神社のうち、熊野大社、真名井神社、六所神社、八重垣神社、神魂神社、揖屋神社の6社を指し、この6社を巡礼する事を「六社参り」と呼んでいる。

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石畳の参道
魂神社は「八雲立つ風土記の丘」から近い。徒歩でも10分もあれば行ける。神社脇の駐車場に車を入れて、参拝することにした。神社の正面に「神魂神社」と彫った古い碑が建っている。鳥居の先には、ゆっくりとした勾配の石畳の参道が続いている。

手洗(みたらし)の所で参道は二手に分かれる。そのまま真っ直ぐ進む参道は女坂で傾斜が少ない。しかし、左手の男坂は急勾配の階段である。男坂の石段を登り切ると、目の前に神社の社殿が聳えている。一見して、歴史的にも価値がありそうな建物で、威圧感があたりに漂よっているのを感じる。



天正11年(1583年)に建てられた現存する最古の大社造り

いはずである。この神社を造ったのはアメノホヒモミコト(天穂日命)とされている。オオクニヌシノミコトを出雲大社祭祀するように命じられた、あのアメノホヒノミコトである。アマテラスオオミカミの第二子とされるこの神は、この地に天降ると、出雲の守護神としてイザナミノミコトを祀った。それがこの神魂神社の始まりであるという。

メノホヒノミコトは出雲大社の最高の神官である「出雲国造」の祖先である。この神官の家系は、出雲国造として25代までこの神魂神社の祭主を勤めていたが、西65kmの杵築の地に出雲大社が創建されると、祭主として大社に移住した。しかし、その後も「神火相続式」「古伝新嘗祭」奉仕のためこの神社に参向するという。

神魂神社本殿
神魂神社本殿(右から写す)
神魂神社本殿
神魂神社本殿(左から写す)
メノホヒノミコト創建に関わる神社であるから、由緒ある格式の高い神社であることは容易に想像できる。ところが、何故か『出雲風土記』にも『延喜式神名帳』にも神魂神社の記載がない。この謎を解く鍵は隣接する出雲国造家の屋敷跡だという説がある。出雲国造家とのつながりが深く、神魂神社は私的な斎場だったと推測されている。

札の写しによって、現在の本殿は室町時代初期の天正11年(1583年)に再建されたと考えられている。現存する最古の大社造りとして、昭和27年(1952)3月には国宝に指定された。三間四方の建物は四丈の高さで、出雲大社本殿とは規模を異にする。しかし、床下の高さが高く、柱は太く、棟持ち柱(前後の部分の中央の柱)が側柱よりも外側に飛び出しており、古い大社造りの特徴をよく残している。一見したところ、白木造りのように見えるが、昔は彩色されていたと言われ、屋根裏あたりにかすかに痕跡が残っている。

の神社の祭神であるイザナミノミコトは女神なので、本殿の屋根の千木(ちぎ)の先端が水平に切ってある。一方、出雲大社の祭神のオオクニヌシノミコトは男神なので、千木の先端が垂直に切ってあり、男神を主祭神としていることを表している。本殿内は、狩野山楽・土佐光起の筆と伝えられる壁画が九面に描かれ、天井は九つの瑞雲が五色に彩られているという。 残念ながら、普段は拝観できない。

お、この神社の神紋には「有」という字が使われている。神様が集まる神在月(かみありづき)の十月の字の十と月を合わせたものとされている。



国の重要文化財に指定されている貴布禰社と稲荷神社

貴布禰社
貴布禰社の正面
殿の向かって左側には貴布祢(きふね)社がある。社殿が小さいのであまり目立たないが、桃山時代の建築様式である2間社流れ造りで、国の重要文化財に指定されている。流れ造りそのものが出雲地方では珍しい。

務所脇に安置されている古い鉄釜が置かれている。その昔、出雲国造の租神であるアメノホヒノミコト(天穂日命)が高天原から降臨された時乗ってきたと伝えられる釜である。神社では毎年12月13日に釜にまつわるお釜神事が執り行われる。



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